神無月 陸日― MicT 新スタッフ育成トレーニング

月白く冴ゆる日に、技と心を磨く。

十五夜の月が静かに昇るその日。
MicT高岡店では、朝九時から一人の新しいスタッフが参加する「新スタッフ育成プログラム」が行われました。
これは、お客様向けの「基礎トレーニング・1DAY集中プログラム」をもとにした社内研修であり、
試用期間を終えたスタッフが現場の抽出業務に立つ前に受ける、重要なステップです。

トレーニングに先立ち、あらかじめ各講座の予習資料をお渡しし、
基本的な理論や用語を理解してから臨めるよう準備を整えました。
MicTでは、受け身ではなく「考えながら学ぶ」姿勢を大切にしています。
疑問を持ち、自らの手で確かめる。
それが“学びを自分のものにする”ための最初の一歩です。


● 珈琲の味覚講座(カッピング/60分)

トレーニングのはじまりは、味覚を整える時間から。
カッピングシートを渡し、理解してきたか簡単な質問をして確認。
並べられた7種類のカップに注がれたコーヒーのアロマを嗅いでいきました。
珈琲は名称は思い込みを防ぎため伏せてあります。
お湯を注ぎ、カッピングの基本を説明しながら準備。
カッピングその一連の動作のなかで、フレーバー、アシディティー、マウスフィール、スイートネスといった各項目を感じ取り、
「どんな果実に近いのか」「どんな質感を持つのか」を言葉にしていく練習を重ねました。

スタッフはカップに向き合いながら、
「この酸味は林檎のよう」「これはジャスミンに似ている」と、
思考を声にしながら香味の世界を探ります。
MicTが重んじる“味覚の言語化”は、ただ飲むだけではなく、
一杯の個性を正確に理解し、お客様に伝えるための基礎。
その基礎を体で覚える時間となりました。

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珈琲教室の進め方を学ぶ

スタッフ研修─20250811

開店前の静かな店内に、カップがそっと触れ合う澄んだ音が響きます。 そこへお湯がやわらかく注がれる音が重なり、朝の空気に心地よい調べが広がっていきます。

この日のその音は、お客様を迎えるためではなく、スタッフ同士が向き合い、学び合うための合図でした。 テーマは──「珈琲教室の進め方」。


大切にしていること

教室を進めるうえで、大切にしていることがいくつかあります。ひとつは、 「ただ参加してもらうだけでは足りない」ということ。心が動き、夢中になってこそ、 その時間は特別な学びになると考えています。

本来なら、生徒一人ひとりの表情やしぐさを丁寧に見て、必要な言葉を添えるのが理想。 けれど、講師が夢中になりすぎて周りが見えなくなることもあります。 そんな時は、生徒さん同士が自然にフォローしてくれます。 新しい方にやさしく声をかけたり、「先生、それ違いますよ〜」と笑顔で訂正してくれたり。 そのやり取りで場が和み、教室全体が見えない糸でやさしく結ばれていくように感じます。

“Why-dunit”という合言葉

ふたつ目は、富山新聞文化センター東教室担当者さんからいただいた教え── 新しく参加された方には、必ずお聞きすること。 「なぜ、この教室に来られたのですか? 何を知りたいのですか?」

個人的には、この質問を“Why-dunit”と呼んでいます。 本来は推理小説で「なぜ犯行に及んだのか」を探るジャンルの言葉ですが、 もちろん珈琲教室に犯罪の香りはまったくありません。 ただ、この質問で動機がはっきりすると、授業の組み立てがぐっとしやすくなります。

たとえば「おいしいアイスコーヒーを家で淹れたい」「カフェ開業のために練習したい」 「ただ涼みに来ただけ」──理由は本当にさまざまです。 中には「先生に会ってみたくて」という、少し照れくさい 動機はありませんが。 そんなやり取りから、教室全体の空気がやわらかくなることも少なくありません。

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