長月拾八日|焙煎機プロバットP12設置 

焙煎機が、ついにやってまいりました。
長き時の川をゆるゆると下り、
幾度もの春秋をめぐりて、ようやく辿り着いた岸辺。
この日を、どれほど待ち望んだことでしょう。

思えば七年前、まだ静かな頃に心ひそかに描いた焙煎所の夢。
時は移ろい、人もまた移ろう。
寄り添い、励まし、道を照らしてくれた人がいれば、
やがて遠くへ旅立っていった人もいました。
そのたびに、また新しい人との出会いがあり、
花が咲き、やがて散り、そして次の季節がやってくるように、
私たちも少しずつ前へと進んできました。

焙煎機が到着する日に、煙突がつかないかもしれない──
そんな一抹の不安も、どうにか回避。

そして迎えたこの日。
朝から煙突屋さんが焙煎機の設置に間に合わせる為、準備に取りかかり、その後
焙煎機の設置に備えて待機してくださいました。

そこへ届いた知らせは、思わぬハプニング。
「焙煎機が富山店に着いてしまいました」

一瞬ひやりとしたものの、すぐに手配が整い、
焙煎機は高岡店へ向けて再出発。
先にメンテナンスの方々が到着し、
少し遅れて輸送班と焙煎機も無事に到着しました。
店先は一気に活気づき、空気がきゅっと引き締まります。

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9月17日 アピタ珈琲教室

楽しいコーヒーの時間のはじまり──その60分ほど前。
まだ静かな教室で、生徒さんとふたり、来月のイベントについて打ち合わせをしました。

先月の 8月20日の中級抽出教室 で話題になったイベント計画を、今日は一つずつ形にしていく時間。

責任者のこと、人員配置、保健所への届出、仕入れや器具、オペレーション、メニュー……
当日の流れを思い描きながら、気になる点を書き出して整理していきます。
ノートにはびっしりと計画が書き込まれ、メールでの相談を経て、ついに本日の打ち合わせ。

話しているうちに、生徒さんの表情が少しずつ和らぎ、
最後には「大丈夫そうですね」という安心した顔に。
計画がぐっと形になり、イベントの輪郭がくっきりと見えてきました。

今回、生徒さんたちが挑戦するのは リレー・フォー・ライフ・ジャパン富山2025 でのカフェ出店。
がんと共に生きる仲間が集い、歩き、つながる特別な一日に、
自分たちのコーヒーで彩りを添えます。

リレー・フォー・ライフ・ジャパン富山公式サイトはこちら

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MicT Selectio【新豆入荷|パナマ サヴェージ ゲイシャ イリデセンス】

パナマ サヴェージ ゲイシャ イリデセンス(浅煎)

光の角度で色を変えるように、ひと口ごとに異なる表情を見せてくれる一杯。
「イリデセンス」という名を持つゲイシャです。

ジャスミンの透明感ある香りと、白ワインを思わせる気品。
みかんやホワイトグレープフルーツのような柑橘の明るさが広がり、
冷めてくるとアールグレイティーのような優雅な余韻が現れます。

ナチュラル由来の華やかさに比べ、こちらはウォッシュド精製ならではのクリアさと端正な酸が際立ち、
光を受けて多彩に変化する名の通り、カップの中に移ろいゆく美しさを描いています。

□ Coffee Profile|詳細情報
エリア:チリキ県ボルカン
農園名:ボケテ周辺の小規模生産者
標高:1850m~
品種:ゲイシャ
生産処理:カーボニックマセレーション・ウォッシュド

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MicT Selectio【新豆入荷|パナマ ドン エドゥアルド ゲイシャ シンメトリー】

パナマ ドン エドゥアルド ゲイシャ シンメトリー(浅煎)

パナマの高地で育まれたゲイシャのなかでも、ひときわ印象的な一杯。
その名は「シンメトリー」。

カップに鼻を近づけると、ジャスミンのように華やかな香りが立ちのぼり、
口に含めば、桃やアプリコットの甘やかさと、ストロベリーやブラッドオレンジの明るい果実感が次々と広がります。
冷めゆくにつれてグレープフルーツやブドウのニュアンスが顔を覗かせ、
まるで温度の変化に合わせて姿を変える多層的な味わい。

「Symmetry(シンメトリー)」という名の通り、フローラルと果実の均整が美しく調和し、
澄んだ余韻が長く続くその一杯は、特別な時間をそっと彩ってくれるでしょう。

□ Coffee Profile|詳細情報
エリア:チリキ県ボケテ、エル・サルト
農園名:ドン・エドゥアルド農園|ハロルド・サビン氏
標高:1850m
品種:ゲイシャ
生産処理:カーボニックマセレーション・ナチュラル

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新豆入荷|エチオピア ゲシャ カルマチ ナチュラル

エチオピア ゲシャ カルマチ ナチュラル(浅煎)

夏の輝きがゆるやかに陰り、秋の風が森を通り抜けるころ、
エチオピアから特別な一杯が届きました。
その名は「ゲシャ カルマチ ナチュラル」。

ひと口ふくむと、グレープやストロベリー、カシス、林檎といった果実の光がいっせいに広がります。
レッドワインを思わせる華やかさに、ライムの爽やかな酸が寄り添い、
そこへアプリコットやキャラメルの柔らかな甘みが重なります。
ナチュラルプロセスならではの芳醇さに、スパイスの余韻が知的な奥行きを添える――
まるで一杯の中に幾重もの層を描くような、立体的な味わいです。

ゲシャ地区は、ゲイシャ種発祥の地として知られる特別な場所。
その森にほど近い「カルマチ農園」では、自然林の中で守られてきた原生種の苗を植え継ぎ、
標高1800〜1980mの地で丁寧に育てられています。
このロットは、Cup of Excellence 受賞歴を持つトラコン社が手がける誇り高き作品。
ただ甘やかに華やぐだけではなく、凛とした酸と複雑な香りを湛える一杯は、
飲む人の記憶に深く刻まれることでしょう。

──“森のゲシャ”と呼ぶにふさわしい、豊かで力強い風味。
この季節に出会うにふさわしい特別なコーヒーを、ぜひお楽しみください。


□Coffee Profile|詳細情報
エリア:ベンチ・マジ、ゲシャ地区
農園名:ゲシャ・カルマチ農園(トラコン・トレーディング社)
標高:1800-1980m
品種:原生品種(ゲシャ種ほか)
生産処理:ナチュラル

9月1日実りブレンド販売開始

《MicT blend》 実りブレンド(中深煎り)

澄み渡る空の向こうに雄々しくそびえる 立山連峰
そのふもとに広がる田園は、黄金色に波打ちながら、
季節の移ろいをやわらかく映し出しています。
畦道に吹く風はひんやりと心地よく、
やがて果樹園へとたどり着けば、
瑞々しい甘さをたたえた 呉羽なし
爽やかな酸味と芳醇な香りの 加積りんご
実りの季節を誇らしげに告げています。

MicTの《実りブレンド》は、
「夏の疲れをやさしく癒し、秋の豊かさを静かに迎える」──
その想いを込めて仕上げた一杯です。

マスカットを思わせる透明感のある果実味、
加積りんごを思わせるやわらかな甘酸っぱさ、
栗のようなまろやかなコクに、
ほのかに重なるカカオの余韻。
一口ごとに、立山の清らかな空気を吸い込むような、
心に澄みわたる味わいが広がります。

やさしさの中に芯を宿した風味は、
実り豊かな田園の情景と重なり合い、
「もう少しだけ、ここで休んでいこうか」と
静かに語りかけてくるよう。

富山の大地に抱かれた季節の恵みを、
どうぞ《実りブレンド》の一杯とともに。
立山を望む風景のように澄みきったひとときを、
心に静かに刻んでいただけますように。

8月31日 TJARの覇者、土井陵さんが来店されました

8月の終わりに

8月最後の日、ミクトに思いがけないお客さまが訪れてくださいました。
開店当初からお世話になっている方が連れて来てくださったのは、トランスジャパンアルプスレース(TJAR)の覇者、土井陵さん
著書にはサインまでいただき、心に残るあたたかなご縁の印を残してくださいました。

ちょうどこの日は、魚津市で開催された
「2025 Trans Japan Alps Race 講演会」(魚津市公式ページはこちら)。
土井さんが講師を務められた演題は「冒険の続き」。
日本アルプスを駆け抜けるこの壮大な大会は、まさに自然と人とが織りなす物語そのものです。

ミクトにとってTJARは、特別な想いがある大会です。
開店のころからのご縁で、まだ世に広く知られる前より応援させていただきました。
協賛や、スタート地点でのコーヒーの振る舞いを通して関わらせていただいている事は、今も大切なお店のイベントです。

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【新発売】福寿ブレンド(中煎り)

福寿であたたかな時間をお過ごしください。

朝の空気が少し澄んで、蝉の声も心なしか遠くなったように感じます。
湯気の向こうに立ちのぼる香りが、季節の移ろいをそっと知らせてくれる。
そんな時季に、ふと思い浮かんだのは「福寿」という言葉でした。
長く重ねてきた日々のあたたかさや、これからも続く穏やかな時間。
一杯のコーヒーが、そんな想いを静かに包み込んでくれたらと思います。

福寿ブレンド(中煎り)

First Impression|第一印象

芳醇な熟した果実の風味と重厚なコク。
長く続く余韻と奥行のある味わいで、福寿を祝う特別な一杯。

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新豆入荷|ケニア スングリ

ケニア スングリ

(中浅煎)

ツクツクボウシの声が聞こえ夏の光が少しずつやわらぎ始める頃、果実を思わせる爽やかな香りをまとった新しいコーヒーが届きました。
その名は「ケニア スングリ」。

ひと口ふくむと、林檎やブラッドオレンジ、マスカットのような果実感がふわりと広がります。
そこにキャラメルやチョコレートの深みが重なり、軽やかさと厚みを同時に感じられる、なんとも贅沢な一杯。
後口はすっきりと明るく、白ワインのように透き通る酸が長く続きます。

ケニアのコーヒーといえば、世界的にも名高い“鮮やかな酸”が魅力。
その美しさは、まさにスペシャルティコーヒーの真髄とも言えるでしょう。
今回選んだスングリもまた、個人的に「ぜひ皆さまに飲んでいただきたい」と強く思わせてくれる豆です。

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MicT Selectionの始まりです。

一度は味わってみたい──。
値段のことなど忘れてしまうほど、心を奪う特別な豆がある。
それは、世界の限られた土地で、ひと粒ずつ丁寧に育まれた希少な豆。
あるいは、まだ多くの人に知られていない精製方法から生まれた、個性あふれる味わいの豆。
そして、世界中のコーヒー生産者が夢見る舞台──「カップ・オブ・エクセレンス」で栄冠を手にした入賞豆。

旅先の小さなカフェで偶然出会うことがあるかもしれない。
その名をメニューで見つけた瞬間、胸が高鳴り、思わず注文してしまうような存在。
一口含めば、香りと味わいが広がり、遠い産地の空や土、作り手の笑顔までが目に浮かぶ。
──そんな特別な豆たちを、自らの焙煎で皆さまへお届けしたいと、ずっと心に描いてきました。

しかし、その多くはあまりにも高価で、店頭販売としては現実的ではなく、長く“憧れ”として心の奥にしまわれていました。
けれど、この素晴らしさを限られた人だけのものにしておくのは惜しい。
スタッフにも、お客様にも、教室の生徒さんにも、その感動を分かち合いたい──。
そんな想いが高まり、このたび高岡への出店を機に、ついにその豆たちをお披露目することとなりました。

価格は確かに高嶺の花。
それでも、手に取りやすいよう50gでの販売とし、ほんの一杯でもその世界への扉を開くきっかけになればと願っています。
それが「ミクトセレクション」です。

ミクトセレクション 初回ラインナップ

店頭では約5種類を50gずつ、
ネットショップでは在庫状況に応じて50g・100g・200g(ボリュームディスカウントあり)で販売いたします。
まずは、この5種類から──。

《AWARD WINNER》ペルー ラヨス デル ソル ゲイシャ
【カップ・オブ・エクセレンス入賞ロット】

世界が認めた、カップ・オブ・エクセレンス受賞のゲイシャ種。
完熟ピーチを思わせる上品な甘酸っぱさと、ジャスミンのように華やかで繊細な香り。
シロップのように滑らかな口当たりが、ゲイシャならではの気品と奥深さを一層引き立てます。

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