コロンビア ウイラ チロソ ウォッシュド（中浅煎）

Colombia Huila Chirroso Washed

□First Impression｜第一印象

ラズベリーやレッドアップルのような明るい果実の香りが一気に広がり、

その瞬間に鮮烈なインパクトを残します。

やわらかな甘みと透明感のある酸が美しく調和し、

華やかでクリーンな余韻へとつながる、印象深い第一印象の一杯です。

□Cupping Comments｜風味評価

Red Currant, Raspberry, Red Apple, Cocoa, Milk Chocolate,

Round Mouthfeel, Crisp, Well Balanced

レッドカラント、ラズベリー、レッドアップル、ココア、ミルクチョコレート、

ラウンドマウスフィール、クリスプ、ウェルバランス

□Coffee Profile｜詳細情報

エリア：ウイラ県ピタリト

農園名：テラヴェルデ生産者組合

生産者：12の小規模農家

品種：チロソ

標高：1580–1900m

生産処理：ウォッシュド

□Complete Tasting Profile｜風味の全体像

ラズベリーやレッドカラントの華やかな果実味に、レッドアップルのような柔らかなスイートネスが寄り添います。

アシディティは澄んだ明るさを帯び、マウスフィールは丸みのある滑らかさが印象的。

後味にはほのかなココアが感じられ、クリーンでバランスの取れた余韻が続きます。

□Why This Bean｜この豆を選んだ理由

旅先で立ち寄ったとある珈琲屋さんで、初めてチロソのコーヒーに出会いました。

赤い果実が弾けるような明るさと、透明感のある甘みが一気に押し寄せ、

そのインパクトの大きさに心を奪われたのを今でも覚えています。

その驚きとよろこびを、ミクトの一杯としてお届けしたい──

そんな思いから、この豆を選びました。

■Origin Profile｜生産情報

テラヴェルデ生産者組合は2015年に設立された若い生産者グループで、

小規模農家が市場と直接つながり、誇りを持って品質向上に取り組める環境づくりを進めています。

創設者ウベマル・ラッソ氏は、農家一軒一軒を訪ね、

ピッキングや乾燥方法、生産処理の改善を丁寧にサポートし、

マイクロロットの品質向上と収入の安定に寄与してきました。



この地域ではパン・コジェールと呼ばれる混植文化が大切にされ、

バナナ、豆類、柑橘、アボカドなど多様な作物がコーヒーと共に育つことで、

土壌が安定し、風味や品質への良い影響ももたらしています。

こうした文化と自然が寄り添う環境が、豊かな味わいを育んでいます。



品質向上によって得られるプレミアムは、生産者の生活環境や教育、設備投資に役立ち、

持続可能なコーヒーづくりへの大きな励みとなっています。

■Variety｜品種の特徴（Chirroso / チロソ）

チロソは、カップ・オブ・エクセレンスなどのコンテストロットにも登場する、希少性の高いローカル品種です。

主な産地はアンティオキア県ウルラオ地区に限られ、地域に根ざした固有の系統として受け継がれてきました。

かつてはカトゥーラの突然変異と考えられていましたが、WCRの遺伝解析により独立した品種であることが確認され、

その価値と特異性が改めて評価されています。



樹はコンパクトで収量が少なく、生育に適した標高帯も1800〜2100mと限られるため、生産者やロットは自然と希少になります。

風味はラズベリーやレッドアップルのような明るい果実味が中心で、滑らかなマウスフィールと透明感のある酸、

そしてクリーンな余韻が、チロソらしい個性としてはっきりと表れます。

■Processing Method｜生産処理の特徴

ウォッシュドプロセスで丁寧に果肉除去・発酵・水洗を行うことで、

チロソ特有の赤い果実のフレーバーとクリーンカップがより際立ち、

上品なアシディティと滑らかなマウスフィールが引き出されています。

透明感のある味わいが整い、この品種ならではの繊細な個性が美しく映し出されます。